子どもとそのご家族、それぞれの事情や物語をくむ
佐伯市にある児童家庭支援センター HOPEは、児童養護施設 森の木が運営する相談機関です。子どものショートステイ、不登校の子どもたちを対象としたサロン活動、個人宅の訪問などをおこなっています。ショートステイやサロン活動では、お子さんを預かって一緒にボードゲームをしたり、 学習支援や工作をしたりしています。お昼やお菓子を作ることもありますね。ご家族の方からの直接のご相談や、里親の支援、市や児童相談所からの依頼を受けて支援することもあります。市役所や児童相談所からの紹介で来られる方もいれば、直接相談に来られる方もいます。
私は幼少期から子どもが大好きで、地元佐伯市の保育園で10年間、保育士として働きました。保育コーディネーターの研修で児童相談所を訪れた際に、「児童養護」に興味を抱き、児童発達支援センターに転職して、4年間勤務しました。その後、もっといろいろな人と触れ合って仕事がしたいと考え、それまでの経験が活かせる仕事として、HOPEの求人を見つけ、今はこうして相談支援員として働いています。
前職の児童発達支援センターでは、学校のように細かく1日のスケジュールが決まっていましたが、ここでは子どもたちの様子に合わせて柔軟に対応します。子どもにとって「家庭と学校以外で過ごす場所」になっていますね。
実際に働いてみて感じるのは、ご家庭それぞれに事情があるということです。子どもたちだけではなく、身近な存在であるそのご家族にも特性があったり、自分の子育てに自信が持てずに、子どもたちにどう関わればよいか悩んだりしています。
そこで私たちが、お母さんと子ども「いまどのような状況にあって、将来どうなりたいのか」を、第三者としてそれぞれの視点から話を聞く場をつくっています。親と子、当人同士だけで話をすると、どうしても対立してしまうことがあるんですよね。
個別に状況が違うため、一般論には当てはまらないことも多いんです。お母さんやお子さん自身のことや現状を、そのまま認めること、歩んできた物語をくんであげるような共感と受容を意識しています。また、相談を聞いた際にアドバイスするうえでも、何かを是正したり、指導したりするのではなく、一生懸命なご家族の方に少しでもヒントを届けることを心がけています。

目の前の人と話す、それだけが相談じゃない
わたし自身も母親ですが、子育てには正解がないということは身をもって経験しています。「こうしなきゃ」「ああしなきゃ」ばかりになると、苦しい。日々、相談支援をすればするほど、この仕事の難しさや奥深さを実感しています。
相談の目的をどこに置くか、そのときどきによって変わります。ライフステージの変化によって、進学、出産、離婚、お金など違う問題が突然出てくることも少なくありません。子どももご家族の方も、本当の気持ちは結局、本人にしかわかりません。そこに、他者である私が、どう入っていくか、いかに近づくことができるか。
相談が終わり、あとから自問自答や後悔することもよくあります。正解がない仕事だからこそ、学び続けながら、一人ひとりとていねいに向き合っていきたいです。正解なんてないから、模索していくしかない。そう思い勉強しながら、日々向き合っています。HOPEは、同僚にも相談しやすい雰囲気があり、とても助かっています。
同時に、「このままではいずれ行き詰まる。今までの経験だけではカバーできない」と感じることもあり、一から勉強しようと決意して、福祉医療カレッジの通信で勉強しています。福祉の基礎から歴史、海外のケース、理論、医学など、勉強することは幅広く多岐にわたります。勉強を始めてみて、よく使う言葉ですが……寄り添うとは? 共感とは? なんだろうと、普段何気なく使っている言葉の本質を考える日々です。
今までは相談の仕事は、話し相手とのやりとりする内容がすべてだと思っていましたが、まったく違いました。声のトーンや目線、話しの間、相談時の環境など、相談にはさまざまな要素が影響します。そうしたことも、今まさに勉強中です。
※記載内容は、2026年7月時点のものです。
宿直
- 6時 朝食準備
- 7時 朝食、片付け、清掃
- 8時 宿題
- 9時 自由遊び(室内、戸外)
- 11時 昼食準備
- 12時 昼食、片付け
- 13時 出勤、引継ぎ、退勤
- 14時 おやつ準備
- 15時 おやつ、片付け
- 16時 夕食準備
- 17時 入浴準備、入浴
- 18時 夕食、片付け
- 19時 自由遊び
- 20時 就寝準備、読み聞かせ
- 21時 就寝
- 22時 事務業務








