潜在的なケアのニーズを探る
心理療法担当職員として、子どもの心のケアをしています。この施設では、母子が一緒に入所していますが、母親が心の拠り所になるので、児童養護施設と比べて子どもたちは落ち着きやすい傾向にあります。ですが、病院のように何か症状があって来るわけではないので、子ども自身が、心に抱えている辛さや苦しさに気づいていないこともあります。友だちと遊んでいるようすや宿題をしているようすをよく観察したり、話を聞いたりしながら、潜在的な悩みを探っていくのが私の仕事です。
いろいろな視点からケアの必要性を検討しますが、自分が当初予想していたことと、原因が全く違う場合もあります。私は心理の専門的な枠組みで捉えますが、身体的な病気による原因が別にあったこともありました。だからこそ、違う視点で母子を見守っている他の職員との連携を大切にしています。職員6名の施設なので、対面で細かいニュアンスまで伝わるような情報共有を心がけています。
もう1つ大切なのが、お母さんの視点と子どもの視点で、それぞれの言い分があるということです。親子間の問題があるときに、支援する側の距離の取り方や、母子のどちらかに偏り過ぎないようにするのも大切です。お母さんには母子支援員が寄り添い、子どもの思いは私が代弁する、そうやってそれぞれのことを理解している職員同士が連携することで、よりバランスの良い支援に繋げていくことを目標にしています。
心理の仕事以外にも、電球を換えたり棚を作ったり、いろいろと頼まれやすいポジション(?)でもありますし(笑)、仕事以外のこともわいわいと職員同士で話しますよ。雰囲気はいいと思います。
趣味の漫画やゲームは子どもたちとの共通言語
入社するまでは、母子生活支援施設のことはあまり知らなかったのですが、大学で学んだ心理学の知識を活かせるチャンスだと思い、この仕事に飛び込みました。
休日はお1人さまを満喫していて、趣味の漫画やゲームに没頭しています。漫画やゲームは子どもたちと共通の話題にもなり、つながりを構築していくきっかけにもなっています。
子どもと一緒に遊びながら心理面接をしたあと、楽しそうに「次はいつ甲斐さんと遊べるん?」と聞いてくれると嬉しいですね。成長した姿を見られるのもこの仕事の喜びの1つです。子どもと関わることを楽しめる人には、ぜひ来てほしいですね。
- 9時 出勤
- 10時 仕事内容の確認
- 11時 日誌など事務仕事
- 12時 休憩
- 13時 生活場面面接(日常生活を送る子どもと遊んだり話したりする時間)
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14時
15時 宿題の支援、外遊び観察 -
16時
17時 心理面接 - 18時 退勤
※記載内容は、2021年7月時点のものです。