2024年度採用情報

職員インタビュー

相談員としての向き合い方で、相手の未来が大きく変わる仕事

山本 浩史さん

  • 相談支援専門員
  • うえの園
  • 正規職員
  • サブリーダー
  • 2018年入社
  • 5年目
  • 中途

「最初の一歩」を一緒に考える

大学時代から発達障がいの方を支える仕事に興味がありました。卒業後は、社会福祉士の資格を活かし、大分県内にある別の社会福祉法人で10年ほど働き、重度心身障がいのある方の担当や責任者に。ただ、施設の特性上、看護師が中心的な支援者となるので、もっと関われる環境を求めて、次に発達障がいや知的障がいのある子どもたちの支援をするNPO法人に入りました。そこでは、全体の事業管理や、子どもたちの発達支援が主な担当領域でした。いまは「相談支援事業所うえの園」に所属し、相談支援専門員をしています。


当事者の方以外はあまりご存知ないと思いますが、世の中にある障がい福祉サービスのほとんどは、相談支援事業所を介してから初めて利用できます。私たちは相談員として、障がいのある方本人やそのご家族から話を聞いて、どんな支援や施設があるか、特性に合っているのはどれかなどを検討する、「最初の一歩」を支えます。最終的に「サービス利用計画」を作成し、その計画にもとづいて管轄する自治体が支援内容を決定すると言う仕組みです。

そのため当時から現場で、相談支援事業所の相談支援専門員(以下、相談員)の方と話したり、打ち合わせをする機会がありました。業務の様子を見聞きするうちに、「自分は具体的な支援の現場よりも、もっと俯瞰する立場で、適切な支援につなげることができる相談支援の方が向いているのではないか?」という気持ちが出てきたんです。現在の同僚である玉井さんが声をかけてくれて、「相談支援事業所うえの園」に入ることを決めました。

サービス利用計画の作成にあたっては、本人やご家族からいろいろなお話を聞きます。ご本人の意向をできるだけ尊重した内容になるよう努めています。家族への説明や、医療機関、利用を許可する自治体の担当者にもかけあって、さまざまな調整をおこないます。

相談の仕事って、誰にでもできそうだと思われることもあるかもしれませんが、個人的にはそうではないと感じています。どんな人に相談するか、一人ひとりに親身になれるのかで、どのような未来につながるかが大きく変わると思っています。だからこそ、希望、やってみたいという本人の思いをできるだけ叶えられるように、粘り強く考えて行動することを心がけています。入口は一緒でも相談のあり方によって違いが出るので、正解はありませんが、そこがおもしろさでもあり、難しさでもあり、やりがいでもあります。

お互いの専門性を活かしあえる職場

職場の雰囲気は話しやすく、疑問や悩みを共有すると何かしらの返答やヒントがもらえる環境です。経験やいろんなケースを知っている同僚がいて勉強になりますし、逆に自分自身もこれまでの現場経験から伝えられることがあって、それぞれの得意なことや専門性を生かしあっている良い職場だなと感じます。

同じく母子を対象に相談支援事業をしている「児童家庭支援センターゆずりは」が隣にあるのも良い点です。ゆずりはでは、子育てに困りごとを抱えている方や経済的に困窮している母子などの支援をしています。障がいのある方は思いを言語化するのが苦手な方も多く、意思疎通ができなかったり、思ったようにいかないと感情が爆発したり、保護者をシャットアウトしてしまうこともあります。そんなときにゆずりはの職員がいると、母子の問題として、困りごとを困ったままにせず解決できることがあります。逆に、ゆずりはからは、障がいのある母子について相談されることもあり、相乗効果が生まれる関係性になっているんです。

前に不登校の子で、ゆずりはに月1回相談に来る子がいました。通信制サポート校に進学する際、通信制サポート校が運営する「放課後等デイサービス」を利用するため、相談支援事業として当事業所が担当することになりました。学校には行かずに、自宅から課題を出していたのですが、卒業のためには最低限のスクーリング(実際に学校で直接指導を受けること)が必要な状況でした。それが、私たちの事務所に顔を出すようになってから4年ほどたった今年2月、ゆずりはスタッフが同行しながらですが、スクーリングのために5年ぶりに学校へ実際に足を踏み出すことができたんです。

事務所に来ることで、学校とは違う世界があると知ったり、いろんな大人と関わることによって徐々に変わっていったのだと思います。私もその子と会って、話したり、簡単な事務作業を手伝ってもらったりして交流していました。ご家族の話ですが、「男性の職員で事務所に唯一いろいろ話せる人がいる」という話をしていたようです。直接的な支援ではありませんが嬉しかったですね。学校へ実際に足を踏み出した後、事務所に来たときにみんなで学校に行けたことをお祝いしたら、まんざらでもない感じの表情をしていて、印象に残っています。

人と人どうしのやりとりですから相性はあります。そんなときに悩みや相談できる同僚が目の前にいてくれるのでありがたいです。休日は我が子と過ごしたり、トリニータの応援をしたり、ロックバンドのライブに行ったりしてリフレッシュしていますよ。

いまは、発達障がいに関する専門性を伸ばしたくて研修を受けています。また、今までの経験を活かして、保育園で子どもたちの1日の様子を見ながら、療育の必要な場合は、早期に保護者に伝えられるような取り組みもしています。相談支援はどちらかというと、受動的な仕事ですが、こうした取り組みを通じて、より必要な方へこちらからリーチしてゆけるといいなと思っています。

1日の仕事の流れ日勤

  • 10時 出勤、面談
  • 11時30分 昼休憩
  • 12時30分 移動
  • 13時 本人、家族などとサービス担当者会議
  • 16時 定期面談とサービス等利用計画を更新するためのヒアリング
  • 18時 移動、事務所に戻る
  • 19時 退勤

※相談の予約状況に応じて随時会議や面談をしています。記載内容は、2023年7月時点のものです。

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