始まりは「福祉ってなんだろう?」
中途採用で、児童養護施設 森の木からスタートし、現在は母子生活支援施設 別府厚生館で働いています。もともと子どもに関わる仕事をしていて、児童養護に興味がありました。自信がなく、踏み込めずにいたんですが、「福祉ってなんだろう?」という想いや、もっと子どもと関わってみたいという気持ちがあり、おもいきって転職したんです。
別府厚生館は、さまざまな事情を抱えた母子が入居して生活する場所です。お母さんの抱える悩みや家庭が目指す目標などによって支援は変わります。
子どもと母親との関係、お子さんの年齢や発達などの状況によって、対応が異なりますので、それぞれの母子の関係を尊重しながら、必要な支援を模索しています。森の木のような児童養護施設は、子どもたちにとってのもう1つの家庭のような存在となって近い距離で接することになりますが、ここでは1つひとつの家庭を尊重し、適切な距離感を保つことが必要になるように思います。
私たち母子支援員が支援をする際に大切にしているのは「お母さんの気持ちに寄り添い耳を傾ける」ことですね。お母さんたちは、危険な状況にあった方や、不安や課題を持ってここにやって来ます。まずは安心感を持ってもらえるように接し、関係を築く中で「こうなったら嬉しいな」という将来の目標や自立への道のりを一緒に考えていきます。お子さんへの支援においても同様ですが、少年指導員や心理療法担当職員と連携しながら対応しています。
各家族それぞれに状況が違い、支援に正解は1つだけではありませんから、先輩や同僚の支援の様子を参考にしたり、書籍からや研修に参加して学んでいます。正直、反省することも多く、いまだに日々試行錯誤しています。
支援や仕事内容を振り返るたび「こうすればよかった」「次はこう動けばいいのかも」など学びが多く、それを積み重ねてきた結果が今です。法人に入った当初から、いろんな人に迷惑をかけながら、失敗してきたからこそ、自分のできる範囲がわかってきたように感じます。自分の性格や特性を知ったうえで、入念に準備をしたり、確認をしたり。最近では、どうしたら組織としてうまくいくか、そんなことにも思い至るようになりました。
ここは職員が少なく、交代で勤務しているので、2週間顔を合わせない人がいることもあります。だからこそ、職員間で目線がずれないよう、常に細かいことでも情報を共有し、連携して仕事をすることが求められます。
一般的なイメージよりもずっと生き生きとした場所
子どもたちの笑顔が輝いているのを見ると、この仕事をしていてよかったなと、心から思います。また、お母さんの抱えていることが解決して、一歩前進したときも、充実感があります。毎日支援に関わる中で、色々な出来事がありますが、嬉しいことと辛いことは半々くらいでしょうか。
知人に仕事を聞かれて説明しても「大変そう」などと言われてしまいがちですが、そればかりじゃないんですよ。
ここにいると、一般的に想像されるよりもずっと生き生きと生活しているし、それぞれが一生懸命に前を向こうとしています。母子生活支援施設という存在をもっと知ってもらって、もう少し肯定的に受け止めてもらえるようにしたいです。
もう少し先のことを考えて進んでいたら、あと10年は早く、この道に来ることができたなと思います。前から福祉には興味があったんですが、スキルもないし自信もなかった。もちろん、福祉以外の10年があったから今があるんですが、その10年が福祉の仕事だったら、もっと今の選択肢が増えていたと思います。
就職活動をされているみなさんには、先の目標や挑戦したいこともよく考えて、就職先を検討してほしいです。
宿直/明け
- 13時 出勤(仕事の確認、引き継ぎ)
- 14時〜 帰宅した小学生の宿題支援、遊びの支援
- 17時 入浴支援
- 18時 母子支援業務など
- 21時 清掃など
- 22時 宿直、施錠、見回り
- 6時 解錠
- 7時 出勤・通学する母子へ声かけ
- 9時 引き継ぎ
- 10時 母子支援(相談)業務
- 12時 昼食、休憩
- 15時 退勤
※記載内容は、2022年7月時点のものです。