2025年度採用情報

職員インタビュー

「いい大人に出会えて良かった」と思える場所に

竪山 康代さん

  • 職業指導員
  • 森の木
  • 正規職員
  • リーダー
  • 1982年入社
  • 41年目
  • 新卒

退園後の生活を見据えたサポート

私は大分県福祉会で働き始めたのが1982年なので、もう40年以上になります。短大で栄養士の資格を取得し、子どもたちの近くで働ける環境ということで、調理室がある施設を探していたんです。これまで勤務したのは、清松園、清明あけぼの学園、うえの園、そして、現在の森の木(移動した当時の名称は青松園)の4施設。実は30年間栄養士としての勤務でした。
森の木に来てからしばらくたった2013年に、大分県の施設で「職業指導員」の配置が始まりました。それで、当時の施設長から「退園した子どもたちのことも良く知っているし、職業指導員を配置するのでどうですか?」という打診もあって、栄養士から職業指導員として働き始めることになりました。職業指導員の仕事は、主に子どもたちの退園前後の自立支援です。子どもの支援には、インケア、リービングケア、アフターケアがあります。

インケアでは、在園中、自立支援計画を作り支援します。たとえば小さい子だったら「お箸を正しく使ってごはんを食べる」、大きい子なら「ごはんを自分で考えて作る」など、それぞれに合った計画表を作成しています。リービングケアとは、退園前の準備です。施設内にある「生活訓練棟」で一人暮らしの模擬体験をしたり、役所で住民票を取得したり、銀行で振り込みをしたりすることをトレーニングとして取り入れています。このように職業指導員には、将来を見据えたさまざまな支援をしています。

そして、アフターケアとは、退園した後の子どもたちへの支援のことです。退園後して独り立ちした子どもたちは、就職や進学などで、生活環境がガラリと変わります。園には友人も職員もいるし、体調が悪いときに相談できる看護師や、ご飯を手作りしてくれる調理員もいます。けれど社会に出れば、食事や掃除洗濯などから、買い物、銀行、役所関係の手続きなど、あらゆることを自分で管理して、やらなければなりません。
スーパーの食材の選び方だったり、病院で健康保険証の提示が必要なことだったり、日常生活のなかで「ちょっとした、わからない」が、たくさん出てくるんです。同時に、コミュニケーションが苦手な子どもたちは、学校や職場でうまくいかない経験が重なることも少なくありません。そんなとき、家族に頼れないと、心理的にも孤独を感じたり、不安定になったりして、思い描いていた生活を諦めてしまうこともあります。
また、ここ数年進学を希望する子どもたちが増えています。以前は費用が用意できずに諦めることもありましたが、5、6年前から給付型の奨学金が充実し始めました。そこで、奨学金の申請書類や提出物などを作成するサポートもするようにしています。

大切なのは愚痴を言える同僚の存在

そこで私たちは、在園中〜退園前〜退園後まで、元担当職員と一緒に相談相手となり、一緒に考えながら、解決策を見つけられるようにしています。職員どうしや地域のアフターケアセンターとも連携して、人とつながって相談したり、何かを気軽に聞いたり話したりできる場所や関係を少しでも多くつくることを目指しています。

私は、森の木が子どもたちの第二の故郷になって、「いい大人に出会えて良かった」と思ってもらえる場所にしたいと思っています。退園した子が、たまに顔を出してくれて、結婚や出産とか、仕事がうまくいっているとか、良い知らせをもってきてくれると、この仕事をしていて良かったなとじんわり感じますね。みんなの夢がひとつずつ実現していくのを一緒に味わえる幸せもあります。児童養護施設や里親などの社会的養護の経験者をケアリーバーと言うのですが、つい最近、園に来て、よき理解者として話をしてくれたり、ソーシャルスキルトレーニング(SST・子どもたちが対人関係のスキルなどを身につけるためのプログラム)で分かりやすい企画を計画して、子どもたちの理解者、支援者になってくれる子たちもいて心強かったです。

職場環境や雰囲気も子どもたちの支援に密接に関わっています。退園後も知っている職員が施設にいれば、帰ってきやすい場所になるので、長く勤める職員が増えていくのが理想です。なので、職員として森の木に勤務された方が、継続できるようにしたいですね。すぐに現場の仕事が始まり、泊まり勤務もあるので、初めは慣れるのが大変だと思います。世代が違う職員がいる環境では、コミュニケーションの工夫も必要ですが、みんなで一緒に話をする機会や、お互いが話しかけやすい雰囲気をつくるよう心がけています。
自分なりのストレス解消法を持っておくことも大事です。休みはしっかり休んで、それと、私自身のことですが、仕事の愚痴を言える同僚がいるというのはとても大切です(笑)。私も辛い時期がありましたが、同期がいたから仕事を楽しく続けることができました。

1日の仕事の流れ日勤

  • 9時 引き継ぎ、前日の記録確認
  • 10時 電話対応、必要書類の作成
  • 11時 卒園生や在園生への対応(何かあったときはすぐに動ける体制にしています。ユニットが忙しいときはヘルプに入ることもあります。)
  • 12時 昼休憩
  • 13時 卒園生への定期連絡、面会、訪問、現場のヘルプ
  • 14時 施設内業務(ボランティア、地域交流など)
  • 18時 退勤

※SSTは、子どもたちが休日の土日に実施しています。日によって、勤務の内容は変わります。記載内容は、2023年7月時点のものです。

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