2025年度採用情報

職員インタビュー

柔軟でクリエイティブな職場。相談者と地域をつなぐ児童家庭支援センターゆずりは  

井手 彩記子さん

  • 心理療法担当職員
  • 森の木
  • 正規職員
  • サブリーダー
  • 2012年入社
  • 13年目
  • 新卒

大事な相談だからこそ、いまだに電話が鳴ると緊張する

児童家庭支援センターゆずりはで、心理士として働いています。森の木に附置されたセンターですが、勤務地は別で、大分市の法人本部内にある事務所です。そもそも児童家庭支援センター(通称:児家セン)は、児童福祉法に基づいた施設です。地域で暮らす保護者や子どもたちを対象に子育てについての相談、困窮支援、不登校・発達障がいの子どもへの対応など、さまざまな困りごとについての相談を電話やライン、対面などで受けています。ここでの相談を通じて必要な施設や支援機関へとつなげていく、ハブ的な役割を担う場所です。また、子どもたちの預かりや居場所づくりなどもおこなっています。

相談件数は、職員3人で年間2,300件ほど。いまは、国全体が「地域で福祉を支える」という方向にシフトしています。地域で児家センを知ってもらえるようになり、相談は年々増えています。大分県福祉会ではゆずりは以外に、2021年には佐伯市に児童家庭支援センターを開設しました。

私は大学で心理学を専攻し、認定心理士の資格を取得したので、それを活かせる職場として大分県福祉会に入りました。入社後、社会福祉士と公認心理師の資格を取得しました。最初は森の木で子どもたちの生活を支援する仕事をしていたのですが、並行してゆずりはの開設準備にも関わっていました。およそ2年間、ほかの立ち上げメンバーとともに実習に行ったり、社会的養護について学んだり、部屋のレイアウトを話し合ったり。大変でしたが、その経験がいまのゆずりはの仕事に対する強い思いにつながっています。ちなみに、私のような心理士がケースワークまで担うのはめずらしいことなのですが、それがより包括的な相談や支援を可能にしているように思います。

相談の連絡をくださる方は「もう限界」という状況で、相談をくれることがほとんどです。泣きながら電話をくれる方もいます。まず、その瞬間を支えたい。勇気を出して電話をくれたことに対して、「ありがとう」という気持ちでいっぱいになります。ただ、電話越しの会話1回で信頼を築くのは、とても難しいことです。この先の支援につなげられるかどうかという大事な機会でもあるので、いまだに電話が鳴るたびに緊張してしまいます。

相談が始まると、「本当は何を相談したいのか?」相談者の真意に触れるため、どのように話を掘り下げていくのかが難しいところです。大学時代に学んだ相談や面談のロールプレイイングの授業や、森の木での経験も役立っていますが、それでも足りないと感じたスキルは、実習研修に行って学びました。同時に、私自身に安心感や好感をもってもらう必要があるので、嘘をつかないこと、素でやること、何気ない会話も大切にしています。

関係先との連携で、スモールステップを積み重ねる

児家センからつなげる関係先は、訪問看護、学校、役所、児童相談所、ほかの相談支援事業所、放課後等デイサービスなど多くあります。相談者だけでなく、支援機関の人とも日々連携しながら、スモールステップを積み重ねつつ根気よく進めていくことも大切な仕事の一つです。

子どもたちと接するときは、「ありがとう」「ごめんね」と言える人、社会に出て可愛がられる人になってもらいたい、そんな気持ちで接しています。以前ひきこもり状態だった子が、5年間の支援を経て、支援先の方から「挨拶がきちんとできて感じが良いですね」「B型就労は問題なくこなせています」という話を聞いたときは、自分のことのように嬉しかったですね。

日々の相談に瞬発的に受け答えをするのは、知識はもちろん人としてもさまざまな引き出しや経験が必要だなと感じますが、最初からそれを持ちあわせている人はいません。私もたくさん悩んで、周りに何度も相談して、現在に至っています。休みの日は、大好きなプロバスケットチームの試合を観戦したり、ミシンで裁縫をして無心になる時間を過ごしたりして、自分の時間を確保するようにしています。そうした楽しい時間があるからこそ、長く相談の仕事ができていると思います。

また、ゆずりはは、新しいことを比較的自由に実行させてくれる、柔軟でクリエイティブな職場だと思っています。立ち上げから働いていることもありますが、潜在的な地域のニーズを汲んで新しい取組を企画したりするたびに、ゆずりはラブの気持ちが強まっていきます(笑)。

たとえば、福祉に関わってみたいという思いのあるコーヒー店を招き、相談に来ている親御さんたちを呼んで、本格コーヒーを味わう会を開催したことがあります。お母さん方にも癒しの時間ができ、似た悩みをもつ親どうしの関係性構築はもちろん、コーヒー店の方にも地域で子育てしている人たちの存在を知っていただく機会になりました。ほかにも、ミシンが得意なお母さんを講師に招いたミシン教室なども開催しました。私たちの周りには「誰かの役に立ちたい」と思っている人が、案外たくさんいるんですよね。だから私は、児家センのハブ的な特性を活かし、いまの福祉の外側にある小さな思いを「つなぐ人」になりたいと思っていいます。小さくとも楽しい地域での福祉の枠組みを超えたつながりを創意工夫しながら、こつこつつくって、実現していきたいです。

※記載内容は、2024年7月時点のものです。

1日の仕事の流れ普通番

  • 9時 出勤、センター情報共有
  • 10時 来所相談
  • 12時 昼食
  • 13時 電話対応
  • 14時 訪問相談
  • 15時 記録などの事務作業
  • 16時 訪問相談
  • 18時 退勤

※記載内容は、2024年7月時点のものです。

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