いつも見ているからこそわかる些細な変化
看護の専門学校を出てから、これまで産婦人科、胃腸科、精神科の看護師を経験し、2018年からうえの園で勤務しています。入社のきっかけは知人からの紹介でした。ここでの仕事は、いわゆる医療現場に携わる看護の仕事とは少し違います。利用者の人の年齢は20〜74歳までと幅広く、障がいのある方の社会活動の支援、日常に寄り添う支援、暮らしをつくることなどに注力しています。最近だと、とくに歯の治療や定期検診に力を入れているのですが、20人の利用者の方を順番に歯科医院へ連れて行くのが主な仕事です。
看護師として、利用者の方の病気を予防をしたり、調子が悪いところに気づいてあげたり、健康観察が多いですね。一人ひとりをよく見ていないとできない仕事ともいえるでしょう。いつもよく見ているからこそ、些細な変化に目がいくようになります。利用者さんの中には自分から言葉にできない方もいますから、汲み取ってあげることがとても大切なんです。変化に気付ければ、病院へ行く必要があるときにも、早めに対応できます。今では、ちょっと血が出たり困ったりしたら「久野さんを呼べば大丈夫!」と思ってくれている方もいるみたいで、頼りにされているなと感じますね。
もちろん、どんな仕事にも言えることですが、楽なことばかりではありません。体や気持ちがきついときもたくさんあります。そんなとき私自身は、月に一度の一人旅で英気を養います。大好きな温泉やサウナに行くのが至福のときですね。日々の癒しは、2匹の猫。一緒にごろごろして、ストレス発散しています。
相手のことを「待てる」姿勢
入所する利用者さんたちにとってここは家です。生活スペースの3階では、娯楽室でゆっくりしたり、部屋にひとりでいたり、日常生活を送っています。日中は、それぞれ好きなことをしていて、一番人気はカラオケ。とても、にぎやかな日々なんです。
うえの園は長くここに住んでいる方が多く、みんな家族のように接するという特徴があります。一般の病院では配膳は配膳の人が行いますが、ここでは看護師である私も家族の一員のように配膳するんです。私自身、初めは環境や働き方の違いに驚くこともありましたが、もし、病院のような環境での看護師の働き方が合わないなぁと感じている方がいたら、こういう看護の現場もあると知ってもらえたらと思います。勤務時間も8〜17時で、日勤のみ。夜勤がないのも特徴です。夜勤がない分、生活が安定するのも良い点ですよ。
ここに向いている人という意味では、それぞれ意見があると思いますが、障がいのある方一人ひとりの特徴や良いところに目を向けられる方だと思います。私自身は、支援している方の純粋さや表現の豊かさに感化されています。施設内では、保育士、介護福祉士、支援の方々と一緒に働いていますが、みなさん優しくて愛のある方々です。そして、障がいのある人たちと向き合う仕事だからか、相手のことを「待てる」姿勢の方たちが多いと思います。みんな仲が良く、プライベートの相談などもできて、ここまで頑張ることができました。本当にスタッフのみなさん、良い人ばかり。長く勤めている人も多く、チームワークは抜群だと思います!
日勤
- 8時 検温、排便チェック、導尿
- 9時 水分補給支援、整容(身だしなみを整える)支援
- 10時 病院受診、薬の管理業務
- 11時 薬の準備
- 12時 昼食と服薬の支援
- 13時 検温、導尿、水分補給支援
- 15時 おやつ支援
- 16時 導尿
- 17時 退勤
※記載内容は、2023年7月時点のものです。