2024年度採用情報

座談会

安部 渚さん

滝尾保育園

副主任保育士/新卒/2003年入社

藤岡 大樹さん

児童養護施設 森の木

児童指導員/新卒/2005年入社

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大分県福祉会の新しい取り組み
「ブランディング」って?

大分県福祉会では、理念や活動を整理し、イメージにしたり言語化することで法人内外に伝えてゆく活動、ブランディングに取り組んでいます。採用Webサイトや社内報、パンフレット制作、施設改修など、職員と外部のさまざまな専門家が一緒のチームとなって進めています。
この取り組みに当初から携わり、中心的なメンバーとなっているのが、児童養護施設 森の木児童指導員の藤岡大樹さんと、滝尾保育園保育士の安部渚さん。2人にどのような取り組みなのか、どのような成果が生まれているか、あれこれお話してもらいました。

児童養護施設や保育園 それぞれの20年

藤岡

安部さんとは同期で、研修旅行に行ったり、今回のテーマとなっているブランディングで一緒に仕事をする機会があり、所属施設は違うけど、話す機会が多い方だと思います。あらためて話す機会となると、ちょっと気恥ずかしいですね。そういえば安部さんはなぜ大分県福祉会に入ったんですか?

安部

大分から出たくて福岡の短大に入り、卒業して、そのまま福岡で就職するつもりでした。でもタイミングが合わず……結婚や出産をしても続けられるところで働きたいと希望したら、勧められたのが大分県福祉会でした。
もともとものを作るのが好きで、中学の時は高校に行かず美容師になりたかったんです。今は保育士として「滝尾保育園」で勤務し、20年目になります。

藤岡

僕は安部さんとは逆で、昔から大分が大好き。熊本の大学にいたんですが、はやく大分に帰りたかったんです。福祉もしたい、教員にもなりたいという気持ちがあって、養護教諭の免許をとりました。大分で福祉系の仕事なら何でもOKと思って探して、学校の掲示板で見つけたのが大分県福祉会です。あけぼの学園8年、別府厚生館2年、現在勤務している森の木で8年目。森の木では、担当はなく幅広い仕事で動きまわるまとめ役のようなポジションです。

安部

私も今年から特定のクラスを担当するのではなく、藤岡さんのようにブランディングや法人全体のことまで、フリーでいろいろな仕事に広く携わるポジションになりました。自由に動けるようになったけど、子どもたちといる時間が減って、正直少し寂しいです。「子どもが大好きで保育士になりたい!」というタイプではなかったですし、園に入った20年ほど前は夜も遅くて、とにかく大変だったんですが、同期と励まし合いながら「頑張ろう」って、なんとか踏ん張っていましたね。最近、担当のクラスから離れてようやく、自分で思うよりずっと保育の仕事が好きだったんだなと実感しているところです。

「ブランディングって何?」から始まった

安部

この記事が掲載される採用Webサイトや社内報など、2020年から大分県福祉会のブランディングが始まりました。毎月定例をおこなって外部のデザイナーや編集者・ファシリテーターの人にアドバイスをもらいながら進めてますよね。職員へアンケートやヒアリングをしたり、社内報を作ったり、採用Webサイト、70周年の記念事業だったり、ほかにも……建築家の人にも関わってもらって施設改修のプロジェクトとか、今ではいくつものプロジェクトが同時進行している状況です。私たち2人も頻繁に各施設間をあちこち周るようになりました。そもそも藤岡さんは、なぜこの担当になろうと思ったんですか?

藤岡

最初は「やりたい人、チャレンジしたい人」で募集されていましたよね。

安部

「若い人」という募集をしていたから、私は最初面白そうだと思ったけど、遠慮していました(笑)。でもまず、「ブランディングって何?」とよくわかっていなかったです。

藤岡

自分は担当もないしフリーな立場なので、若くなくてもこの役割が回ってくるだろうなと予想はしていました(笑)。ただ最初は、あまり前向きな気持ちではなくて。でも今は、みんなにもっとなんでこうした取り組みをするのかとか、制作を通して見えてくることや気づきが広がるといいなと思うようになりました。

安部

いくつかのプロジェクトが立ち上がることによって、それぞれ違う職員がメンバーになり、関わる人も徐々にですが増えていますよね。それぞれ施設ごとに事情があったり、勤務と並行していることもあったりしてなかなか思うように進まないときに、私は滝尾保育園しか勤務してないので、藤岡さんがいることで、ほかの施設との繋ぎがうまくいくので助かります。今って、施設の間の「横串」があまりないですよね。

藤岡

でも僕は保育側の人はまだよくわからないから。ちょうど、保育系は安部さん、それ以外は僕でうまく分担されているかも。社歴が長くて、いろんな施設に知り合いがいるというのが、僕たちなので、結果的に今のような役割になっていきましたよね。

みんなでつくる未来の福祉

安部

直接、会議に出席したりしている職員の人たちは実感があると思うけど、最初はみんな本当に乗り気じゃなくて、この取り組みが全く理解されていませんでした。今もまだその途中ではありますが、少しずつ変わっているように思います。

藤岡

さっき、「あまり前向きな気持ちではなかった」と言ったけど、自分自身「上から言われたからやる」というスタンスでした。たとえば、一番最初に取り組んだのが社内報ですよね。あれは、施設間の横の繋がりを作るために、職員が自ら企画して取材して、制作するものです。物が完成したら、後はみんなが読んでくれたらいいやくらいの気持ちだったんです。
最近は「なんでこれを作るか伝えないといけない」という気持ちが大きくなってきました。だからこそ、ブランディングとは何かを噛み砕いて、みんなに説明するようになったんです。

安部

全体に伝えるために、「ブランディングとは?」を説明するプリントを作って、職員会議で提出したり、関わってもらっているデザイナーの方による解説動画を配信したりしましたよね。
取材や打ち合わせがあると、いろんな施設の職員さんたちに「今日はなに?」「大変やね」なんて言われてしまうんですよ。大変と言われることを変えたいですね。

藤岡

確かに、ものづくりの現場の大変さは実感しましたよ。写真撮影とか。でも、大変だけど、新しいことをさせてくれたのはありがたいと思っています。大分県福祉会にいるのに、全く違う会社に転職したような仕事をしている不思議な気持ちになるときもあります。普段はやったことのないことをしているから、大変に見えているのかもしれませんね。

安部

私はあまり苦じゃないんですよ。もともと、こういう新しいことにチャレンジすることが好きなのかもしれません。
外部の人や上の人が考えて、誰かがやるだろうということではなく、現場のみんなで未来の福祉を考えてつくっていくことが必要だと感じています。そのためには、1人でも多くの現場の職員に理解してもらい、当事者意識をもって参加してもらうことが重要だなと感じています。

藤岡

自分自身、最初はどうしていいかわからないと思っていたけど、今ではいろいろやりながら「こうやったらいいかも」「これしたらよかったかも」と、アイデアや考えが出てきますね。

プロジェクトを通じて小さな変化も

安部

このプロジェクトに関わるようになって何か変わったことはありますか?

藤岡

施設や法人を俯瞰して見る意識が出てきたかな。

安部

確かに私も、施設全体として見たり、気にかけたりするようになりました。社内報チームのメンバーも、みんな積極的になってきたと思います。経験もなく、やり方も知らない状態から、メンバーが少しずつ変わってきました。

藤岡

共通の取り組みをしたり、それぞれが訪問し合うと、施設ごとの特徴だったり、チームワークがよく見えるようにもなりますね。良い点も、改善点も含めてですけど。この施設のこういう点が、自分の施設にもあればいいなとか、そんな視点ができてきたんですね。

安部

普通に保育士をしていたら出会えない人とも会えていますよね。

藤岡

社内報も、ただ写真を撮らされる、文章を書かされる、という感じではなくなってきました。施設や園の子どもたちがカメラを見て寄ってきたりして、いろんな人が入ることで刺激になっている感じもあります。実際に働いている人たちに触れることで、知らなかった法人内の仕事を知る機会になっていますね。

安部

変わったことと言えば、社内報がよく話題にあがるようにもなりました! 採用Webができてから応募者の数はかなり増えているみたいです。よかった。

藤岡

社内報のおかげで話しかけられ、会話できるようになったところもありますね。みんなすごく読んでくれて、嬉しいです。職員同士のコミュニケーションのツールになってきているのかな。そういう意味ではそれぞれのプロジェクトを通じて少しずつ、影響や変化が生まれているような気がします。

※記載内容は、2022年7月時点のものです。